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血圧とは?収縮期血圧と拡張期血圧の違い

収縮期血圧は問題なさそうだけど、拡張期血圧が高いなぁ。これは良いんだろうか。

拡張期血圧が低いけど、このまま様子見ててよいのかな。

こんなことを思ったことがある看護師さんに血圧について書いていこうと思います。

私は、集中治療室で働いて10年以上たちますが、たくさんの低血圧や高血圧を見てきました。もちろん血圧というと上の血圧(収縮期血圧)をよく重視すると思います。そんななか、後輩に下の血圧(拡張期血圧)ってどんなもの?って聞いてもあまり答えられないものです。なので拡張期血圧にもフォーカスして少し分かり易く書いていきます。

血圧とは

人体の中で血液が体中を巡り、心臓が拍動するたびに生じる力こそが「血圧」です。これは、動脈にかかる圧力で、心臓が血液を送り出す際に最も高くなる「収縮期血圧」と、心臓がリラックスしているときの最低値である「拡張期血圧」の二つの数値で表されます。正常な血圧は、体の正常な機能や臓器への適切な血液供給を維持するために重要です。

収縮期血圧とは

収縮期血圧は、いわゆる上の血圧と言われるもので、皆さんが血圧と言ったらこれと言われるものですね。

簡単に言うと、心臓が元気よくドキドキするときの血圧の高さを表しています。心臓は、血液を体に送り出すために収縮と呼ばれる動きをします。このとき、血液が力強く体中に送り出され、血管に圧力がかかりますが、その血管にかかった圧が収縮期血圧となります。

例えば、ボールを手でしっかり握って、力を入れて一気に放すと、ボールはどんどん飛びますよね?心臓も同じで、収縮期血圧は、心臓が力強く働いて血液を体中に送り出す瞬間の力を示しています。だから、収縮期血圧が高いと、心臓が元気いっぱいに働いているということになります。

ただし、一生懸命ボール投げをやりすぎると腕が痛くなるように、心臓も頑張りすぎると疲れてしまうので注意が必要です。

拡張期血圧とは

拡張期血圧は、血圧測定の際に示される2つの数値のうちの一つで、血液が心臓から体の他の部分に送り出される際の圧力の最も低い状態を表します。いわゆる下の血圧と言われるものですね。

拡張期血圧は、心臓が「休んでいるとき」の血圧の数字です。考えてみてください、心臓は一生懸命に働いて、血液を体中に送り出していますよね。そのとき、一番力強く血液を送り出す瞬間があります。

先ほどの例えとなりますが、ボールを手で握って力を入れて、それを一気に放すと、ボールはどんどん飛び出しますよね?心臓も同じで、一生懸命に血液を押し出す瞬間があります。そのときのため込んだ時のことを言います。このため込んだ時の血圧を拡張期血圧と呼んでいるのです。

拡張期血圧が低い時

低い拡張期血圧は、血液が体中に行き渡る力が弱いことを示す可能性があります。 これは、心臓がうまく血液を体に送り出せていない、または血管が広がってしまっている可能性があります。 低血圧の症状にはめまい、立ちくらみ、疲労感が含まれることがあります。 拡張期血圧が低い場合の考えられる疾患や原因には、出血、心臓の機能不全、甲状腺機能低下症、貧血、脱水などがあります。

拡張期血圧が高い時

高い拡張期血圧は、心臓が強く血液を送り出している状態を示す可能性があります。 長期にわたって高い血圧は、動脈や心臓に負担をかけ、様々な健康リスクを引き起こす可能性があります。 高血圧の症状はしばしばはっきりと現れないため、「沈黙の殺し屋」とも呼ばれています。 拡張期血圧が高い場合の考えられる疾患や原因には、高血圧、動脈硬化、腎臓疾患、甲状腺機能亢進症、ストレスなどがあります。

昇圧剤について

少し余談ですが、昇圧剤の中には、主にα作用やβ作用と呼ばれる特定の生理作用を利用して血圧を調整する薬剤があります。これらは交感神経への作用に関連しており、以下にそれぞれの作用について説明します。

α作用

α受容体は、血管の平滑筋に存在する受容体で、これに作用することで血管が収縮します。α作用を持つ薬剤は、これに作用して血管を収縮させ、血圧を上げる働きがあります。

β作用

β受容体は、心臓や血管などに存在する受容体で、これに作用することで心拍数や心臓の収縮力が増加します。β作用を持つ薬剤は、これに作用して心臓の働きを増やし、血圧を上げる効果があります。

これらの違う作用を利用することで、血管の収縮や心臓の働きを調整し、血圧を上げることが可能です。

おわりに

血圧について勉強することはあまりないと思いますが、血圧の意味や昇圧剤の作用などを考えることによって、理にかなった治療を行うことができます。特に重症な患者さんは、原疾患の治療ではなく、その時に起こっている症状に対しての対応が大事になってくるので、この記事が少しでも勉強になればと思います。