こんにちは、ヒカルです。
私は、10年近く集中治療をやっているので、そこそこ急変にあたっています。
今回は、
- 急変ってなんなの?
- 何を見ればいいの?
- ABCDアプローチって何?
と疑問に思っている看護師さんにお答えしていきたいと思います。
急変とは
急変とは、その名の通り、患者さんに何らかの異常が起きて、呼吸の状態や循環動態が破綻してしまうことを言います。
もちろん死に直結してしまうこともありますが、早期に発見・対応ができれば十分に対応ができることが多いです。
何か変
看護師は患者のことを見ている時間が多いです。
関わりの中で、「あれ?こんな感じだったっけ?」「なんかいつもと違うな」と、いつもよりなんか変と思った時は、もしかしたら急変の兆候かも知れません。
モニターに頼らない
患者さんが、モニターにつながっていると、持続で心臓の動きや体の中の酸素の状態が数字として出るので問題ないと思ってしまう事があります。
しかし、それは本当にその患者さんにとって問題ない数字なのでしょうか?
数字はあくまでも指標の1つとして考え、見て・聞いて・感じてのフィジカルアセスメントを重要視して下さい。
集中治療室では常にモニタリングしていますが、ちょっとした変化を医師に伝えて急変前に対応しています。
事前に分かれば怖くない
急変ってみんな嫌ですよね。
いきなり状態が悪くなり、色々な処置や検査、更には心肺蘇生を行うかも知れません。
しかし、先ほども伝えた通り、何か変と思っていれば事前に医師に相談できますし、状態が悪くなってもある程度予想できているので、体がスムーズに動きます。
これで、怖さは軽減するはずです。
できる看護師はカッコいい
経験ある先輩ナースが指揮をとって対応できたときはかっこいいなーと思っちゃいますよね!
そんな看護師を目指すべく、しっかりとした知識を身につけましょう!
ABCDが全て
患者さんを診る時は、頭から足先まで観察しますが、状態が悪い時にそんなに細々と見ている必要はありません。
命が危ないのかどうかを優先で見ていく必要があります。
そんな時は、ABCDでアプローチしていきましょう。
A(Airway)
気道は開通してますか?
開通できているかどうかの確認は発声があるかどうかです。
会話できてますか?
声出てますか?
「う~ん」と唸っていてもAはOK!
B(Breathing)
呼吸してますか?
息遣いはどうですか?
胸が挙がってますか?
呼吸が早くて浅い、いびきをかいているような呼吸は、死戦期呼吸になっている可能性があるので、酸素の投与やバックバルブマスクによる換気を考えましょう。
C(Circulation)
橈骨動脈は触れますか?
頸動脈は触れますか?
触れたときのおおよその血圧はわかりますか?
(血圧・・・橈骨動脈触知可は80㎜Hg、大腿動脈触知可は70㎜Hg、頸動脈触知可は60㎜Hg)
血圧が低すぎると全身に血液を送れなくなります。
原因は様々ですが、すぐに胸骨圧迫が必要な時もありますし、補液や除細動が必要なことが多いです。
これが分かれば、モニタリングできてなくても、アセスメントできますね。
いつもと違うことに気が付きますね。
もちろん、すぐにモニタリングできれば一番良いです。
心電図は、洞調律なのか、不整脈なのか、徐脈なのか、頻脈なのか・・・波形によっては、電気ショックが必要ですよ!
心停止には、心静止、PEA(無脈性電気活動)、心室細動、脈なしVT(心室頻拍)の大きな4つがあります。
その中でも除細動が必要なのは、心室細動と脈なしVTになります。
D(dysfunction of CNS)
意識レベルが悪い場合は、中枢神経系に異常を来している可能性があります。
脳梗塞や脳出血、全身の循環不全によって脳に異常を来している可能性が高いです。
GCS(グラスゴー・コーマ・スケール)で8点以下や、2点以上点数が下がった場合は緊急で気管内挿管が必要になる場合があるので、医師に言われる前に気管内挿管の準備をしていきましょう。
まとめ
最近はDNARなどの同意を得ていることもあるので、昔より経験できない(むしろ経験したくないですが…)ような気がしますが、急変は急にやってきます!当たり前ですが!
看護師をやっている以上当たったときは命を救うしかないのです!
なので、普段からのイメージトレーニングをすることや救急カートの確認、気道確保や胸骨圧迫ができるようにしていきましょう(^o^)
では、また会いましょう\(^o^)/