【聴診器】マスターしよう!聴診器の使い方や副雑音の種類
こんちは、ヒカルです。
私は、集中治療や救急治療を10年以上経験している看護師です。なので毎日のように聴診器を使用して患者さんの状態を確認しています。
そんな私が、看護学生や現看護師に分かりやすく医療、看護のことを教えていきたいと思います。
今回は、
聴診器ってどう使うの
聴診器を使って何を知ることが出来るの
どんな聴診器がいいの
とりあえず音は聴こえるけどそれが何なの
こんなことを知りたい人に教えていきたいと思います。
聴診器ってただ胸やお腹に当てて「よし、音は聴こえる」って日々何気なく仕事をしていませんか?
医師は聴診器を使いこなし、しっかり音を聴いて正常や異常を振り分けます。そしてその音で疑いのある疾患を見つけていきます。
でもそれって、看護師でもやれるんですね。毎日しっかりと音を聴いて、経験すれば分かるようになります。
今回は、必ずみんなが持っている聴診器の使い方や聴診器を使って分かる肺や心臓の音も勉強していきたいと思います。
正しい聴診器の使い方や音の聞き分け方を身に着けて、できる看護師になりましょう!
聴診器で何を聴くの?
メインとなるのは肺の音ですね。「ゴロゴロ」したり「ヒューヒュー」と音がしたり、いわゆる肺の副雑音があるかどうかを聴くときに使用します。その音によってある程度の疾患が分かるんです。作った人はすごいですね。
そして、心臓の音も聴きます。「ドックン」という音にも正常と異常があります。雑音が聴かれることで疾患が潜んでいるか分かるのです。では、次に聴診器の使い方肺や心臓の雑音の特徴を教えたいと思います。
聴診器の特徴
膜型
まず、一番目に入るのは音を聞く部分ですね。丸い部分に膜が張っていてその部分を体に当てていきます。その、膜がある方を膜型といいます。
ベル型
その裏にも丸い部分がありますが、膜はありません。しかし、その部分でも音を聴くことができます。その部分をベル型と言います。
使い分け
膜型とベル型でも、体に当てればどちらも聴くことができますが、どのように使い分けるか知っていますか?それは、音の高低を聞き分けるときに使います。
ちなみに、肺の音を聴く時は膜型で、心臓の音を聴く時はベル型で聴くのが一般的です。ちなみに聴診器ならリットマンがおすすめです!
肺音の特徴
肺の音は、基本的に健康な人は「スースー」とクリアな音が聴かれます。そこに何かしらの疾患があると、「ゴロゴロ」「ヒューヒュー」という音が生じます。
それが、肺副雑音です。肺雑音には何種類かあります。次は、主要な4つの雑音を紹介していきます。
連続性と断続性
肺雑音には、まず大きく分けて連続性と断続性の2つの領域に分かれます。連続性には気管支自体が狭くなってい時に聴かれます。そして、断続性には空気の通り道に痰や水分が邪魔をして現れる音と考えられます。
高さと粗さ(低さ)
連続性と断続性は、そこから2つに分けられます。それが音の高さと粗さ(低さ)です。
低音性連続副雑音
いびきのような「グーグー」と聴かれる音を低音声連続副雑音と言います。太い気管支が狭くなっている時に聴かれる音です。医療用語では「ロンカイ」と言うことがあります。この音が聴かれた時は、COPD(慢性閉塞性肺疾患)や気管支拡張症の疾患を疑います。
高音声連続性副雑音
笛のような「ピーピー」「ヒューヒュー」と聴かれる音を高音声連続性副雑音と言います。比較的細い気管支が狭くなっている時に聴かれます。医療用語では「ウィーズ」と言います。この音が聴かれた時は、気管支喘息や心不全が疑われます。
粗い断続性副雑音
「ブツブツ」と言った水中で空気を出したときのような低い音を粗い断続性副雑音といいます。肺の中に水分が溜まっていて、空気が通るたびに水が邪魔をしてそのような音が出ます。医療用語では「コースクラックル」と言います。この音が聴かれた時は、肺炎や肺水腫の疾患を考えます。
細かい断続性副雑音
「パチパチ」と言った髪の毛を捻ったときのような音を細かい断続性副雑音と言います。間質という部分が固くなり、息を吸った時に固くなった間質が広がる時にそのような音が出ます。医療用語では「ファインクラックル」と言います。この音が聴かれた時は間質性肺炎や肺線維症を疑います。
呼吸の音を聴く時は、直接肌に当てて聴いてください。服の上からだと服が擦れた音が雑音と混じってしまいます。また、深呼吸できる人にはしてもらったほうが聴きやすいです!
心音の特徴
心臓は「ドックン」と聴かれると思いますが、これは心臓の中にある弁が閉じる音です。主に僧帽弁と大動脈弁が交互に閉じる音になりますが、「ドッ」が僧帽弁が閉じる音、「クン」が大動脈弁が閉じる音になります。
「ドッ」という僧帽弁が閉じる音をⅠ音と言い、「クン」という大動脈弁が閉じる音をⅡ音と言います。
心雑音とは
心雑音とは、「ドックン」以外に「ザー」という音が聴かれることをいいます。心臓の音は膜型で聴くこともできますが、心臓の雑音は低音なので、聴診器のベル型で音を聴くとわかりやすいです。
Ⅰ音のあとの雑音
Ⅰ音のあとに聴かれる雑音は僧帽弁の異常を示す場合が多いので、僧帽弁狭窄症や僧帽弁閉鎖不全症が疑われます。
Ⅱ音のあとの雑音
Ⅱ音のあとに聴かれる雑音は、大動脈弁の異常を示すことがあり、大動脈狭窄症や大動脈閉鎖不全症が疑われます。
Ⅲ音やⅣ音
Ⅱ音のあとにⅢ音やⅣ音と言われる雑音が聴かれる場合がありますが、これは、心房や心室の壁に血液が当たる音です。心房や心室に負荷がかかっている時にこれが聴かれと時には心不全が考えられます。
息を止めてもらって聴いてみると、呼吸音が邪魔にならずに心臓の音が聴けるのでやれる人にはやってもらいましょう!ずっと息を止めてはダメですよ!
私が使っているのはリットマン
私はリットマンを使っています。やはり有名所は間違いないでしょう。聴診器の値段はピンキリですが、だいたい1万円くらいが多いかと思います。
もちろん高いものは録音が出来たりなど優れた機能があるものもありますが、まぁそこまでは必要ないと思います。
リットマンは、膜型とベル型も切り替えることができ、問題なく音が聴けます。値段はそこそこですが、丁寧に扱えば何年も使うことが出来るので割り切って買うのは良いと思います。
まとめ
いかがでしたか?聴診器の使い方をマスターすれば、それ一つで患者さんの異常判別ができるようになります。いろいろな副雑音がありますが、よく聴いて経験していくことで覚えることは出来ます。良い聴診器を使えば良いわけではないので、しっかりと使い方をマスターし、医者にも負けないできる看護師になりましょう!
では、また会いましょう\(^o^)/