【心不全】クリニカルシナリオと照らし合わせてみたら後輩は治療に納得したみたい!やっぱり根拠は大切!
こんにちは、ヒカルです。
今日は、この前病棟で起きた心不全急性増悪で研修医と後輩がバタついていたので、心不全の話をしようかと。
看護師のみなさん、心不全知ってますか?
多くの患者が肺炎か心不全で亡くなっているんじゃないかという世の中、循環器病棟以外でも心臓を患っている人は多いんじゃないでしょうか?
でも、専門的に見ていないと、苦しそうだから酸素投与しよー、浮腫んでるから利尿剤入れたほうがいいかなー、とかで考えていませんか?
実際、専門医じゃないおじいちゃん先生とかありそうですよね...
慢性期病棟でも、心不全の既往がある患者が少し感染したことで、急激に心不全悪化につながる時があります。
そんな、身近な心不全をちょっとでも「そうなんだ~」って思えてもらえれば幸いです。
まず、「心不全」とは、文字通り心臓の動きがよくないことを言います。
原因はいろいろあると思いますが、狭心症や心筋梗塞になった人や弁膜症などで心臓に負担がかかった人が主にですかね?
中には、先天性で心臓の部屋の間に穴が開いている人や若い人でも心臓の筋肉自体が大きくなった人、厚くなって心臓の動きが悪くなる人もいます。
それでもって、色々な疾患には程度によって重症度やそれによって治療方針を決めたりするものがあるんですが、心不全の分類って聞いたことあります?
あまり関わりない人でも、NYHA(ニーハ)分類やKillip(キリップ)分類なんかは聞いたことありますかね?
CCUとかICUだと、S-Gカテーテル挿入したりすることもあるので、フォレスター分類やノーリア分類なんか勉強しますよね?
今回は、CS(クリニカルシナリオ)分類の話になるんですけど、これは急性期でも慢性期でも心不全を急激に発症したら使えるってんで言っときます。
まず、分類表
心不全の分類や治療について新しい考え方がいくつかできたと聞いています。日常診療にすぐ使えるものはありますか | 診療のヒント100 | 循環器最新情報 | 公益財団法人 日本心臓財団より引用
特に、お目にかかるのがCS1なので、みなさんはここをわかるだけでも、どうしたらよいか分かると思います!
簡単に言うと、もともと心臓がよくない人が、何らかの影響で血圧がグワーッって上がる(収縮期血圧140㎜Hg以上)と、心臓に負担がかかって肺水腫を引き起こし呼吸ができなくなるってことです!
なんでそうなるのかと言うと、何らかの影響(感染や疲れ、ストレスなど)で交感神経優位になると血管がキュッて締まるんですよ!
そうすると、勢いよく静脈血液が心臓に戻ってくるので心臓に負荷がかかっちゃうんですよね。
それに、血管が締まると送り出すのも困難になってさらに心臓に負荷がかかります!(前負荷とか後負荷のことですね)
そうすると、心臓にいっぱいになった血液は肺でうっ血して水漏れしてしまいます!(肺水腫)
そうすると、ガス交換ができなくなり呼吸が苦しくなるってわけです!
ということは、もともと身体のなかにある水分量は変わっていないんですよ!
心不全って身体のなかの水が一杯で溢れているイメージですが、そんなこともないものもあるんですね!
なので、治療は血圧を下げること!
硝酸薬で血管を広げてあげると、血液の行き場ができるので、心臓にある血液が減少します、そうすると心臓の負担が減りますね!
あとは、酸素を投与すること!
肺水腫はすぐに良くならないので、酸素を投与して身体の中の酸素を補ってあげます。
呼吸状態がひどいときは、NIV(非侵襲的陽圧換気法)を使用して呼吸自体を楽にさせます。
苦しいと悪循環になりますからね。
今回、最初に話した研修医と後輩ですが、患者さんには悪いなーと思いながらも、遠くからみてどうするのかと見ていました!
研修医は、上級医と連絡をとりながらあたふた。
後輩は研修医からの指示がないから何もできず。
そこで、しびれを切らした私が、「とりあえず採血とレントゲンどうですかね?あと、ベッドアップしても良いですか?」と口出し。
その後は、「酸素はどうしますかね、降圧薬とか主治医はなんか言ってました?」と言っちゃいました。
だって患者さんが苦しそうなんだもん...
その後は、CS1に当てはまった治療法で患者さんは呼吸困難消失しぐっすり眠られました!
後輩には、この後クリニカルシナリオの説明し治療の根拠が分かったみたいです。
みなさんも、このような心不全の場面に出くわしたらクリニカルシナリオを考えて動いてみてください!
暇があれば、他のクリニカルシナリオも書きたいと思います(^^;)
では、また会いましょう(^^)/