こんにちは、ヒカルです。
新型コロナウイルスの影響で、医療崩壊のワードが毎日のように流れていますね。
私の病院では、まだそこまで医療崩壊と感じるほど危機的な状況ではないと思っていますが、新型コロナウイルスの感染がこれ以上になると、そうなってもおかしくはありません。
理由としては、新型コロナウイルスを見る設備がないため、疑いの患者さんを見るだけでも相当な環境を作らなければならないからです。
つまり、新型コロナウイルス疑いの患者を見るために、診察をする場所を常に空けて置かなければならないこと、もし、入院になった時を考えて、今いる入院患者を違う病院や違う病棟に移動させて、1つの病棟をコロナウイルス用の病棟にするなどの設備を作ることです。
しかし、これには病棟の大改造が必要なので、病院にとっては来るか来ないか分からない患者さんのために、相当な投資をしなければならないことになります。
また、実際にみることとなったら、患者さんの人数によりますが、人手が欲しくなりますし、医療者の危険手当なども考慮しなければなりません。つまり、人件費が上る可能性があります。
これだけでも、病院にとっては痛手ですが、実際に何の用意もせず新型コロナウイルス陽性の患者さんを診察してしまい、それが感染拡大になってしまったら、病院の診察を止めなければなりません。こちらのほうが相当な痛手になると思います。
どの病院でもいろいろな対策をしていると思いますが、あとはお金を動かしている部門の判断になります。
そして、実際に新型コロナウイルスに感染している疑いの患者さんが来ることはもちろんあります。その1人の患者さんに対する対応もそれなりにお金がかかります。
マスクやガウン、手袋など大量に消費しますし、人手が必要です。1人診るだけでもそう感じるので、数人、数十人となればどの病院でも医療崩壊は起こります。1日1人を診るだけで大変な状況なのです。
一般の患者さんと同じものは使えないですし、感染予防するために相当な防護用具を使用します。
こんなのがいつまで続くかわからない状態でいたら、物や人がいくらあっても足りなくなるのは当たりまえです。
新型コロナウイルス疑いの時点で、相当な準備と人手を要します。
まぁ医療崩壊については、私たちからすると1ヶ月も前から予想できていた事ですが、予想以上に感染拡大しているということですね。
医療崩壊になったら、新型コロナウイルスじゃない人も助けることが出来なくなります。
なので今回は、
患者さんの対応はどうしてる?
病院では、いろいろな原因で熱を出して来る患者さんが多いです。
熱があっても、発熱の期間や県外に行っているか、渡航歴があるかなど確認し、条件に当てはまらなければ普通の診察をします。
なので、全員を新型コロナウイルス疑いと思っているわけではありません。
ですが、中にはそうではなくても陽性だった人もたくさんいますので、必要な感染予防策で診察しています。
新型コロナウイルスの疑い患者さんの対応は?
最初の問診から、新型コロナウイルスの疑いがあった時は、保健所などの指示を受けて、病院で対応するか確認します。
そして、対応するように言われれば、隔離部屋に案内し対応します。
ゾーニングして数人で対応する
重症や軽症に関わらず、1人の患者さんに関わる医療従事者は、5人以上要します。
患者さんに直接触れる医師や看護師はその部屋から出ることは出来ません。いわゆるレッドゾーンの中です。
その次は、部屋の外になりますが、しっかりとゾーニングし間接的に物を渡したり、物を受け取るゾーンが必要です。そのゾーンにも別のスタッフを要しますが、そのスタッフもその場所からは出られません。いわゆるイエローゾーンです。
それより外で介助できるゾーンがグリーンゾーンとなりますが、家族対応や周りの患者さんの対応に看護師だけでなく事務の方たちも数人関わってきます。
ゾーニングをすると、治療はスムーズに進みませんし、検査もスムーズに進みません。レントゲンやCT検査をすることも大変です。
それでも、感染拡大させないためにはとても大切な方法です。
たらい回しって思います?
そんな患者さんを何人も診ることは出来ません。疑いの患者さんを1人診ている中で、上記のように対応し、多くのスタッフが関わります。
新型コロナウイルス疑いの人の救急車の要請があった時は、普通の病院では断ることがほとんどです。
これをたらい回しと言われたらもうどうしようもありませんね。
看護師も関わりたくて関わっているわけではない
私の病院は感染指定病院ではないので、診察する患者さんは少ないです。しかし、新型コロナウイルスにかかった患者さんが来ないとは言えません。
スタッフもそれに対応できるように準備をしますが、看護師の中にも関わりたくない人もいます。
当たり前ですよね。看護師も人間ですもの。
外来に働いているからという理由で、新型コロナウイルス疑いの患者さんの診察に強制的に携わることもありますが、看護師さんの中には泣いてしまうほど精神的に追い込まれる人もいます。
その看護師さんは、「家族もいて、小さい子供がいるのに」という背景があったそうです。外来の看護師さんには、小さい子供を持つ人が多くいます。
自分がうつってしまい、それを小さい子供にうつしてしまったらどう思うでしょう。重要化してしまい、亡くなってしまったら誰を恨めば良いのでしょう。
病院で働いている人をどんな目で見てるの?
看護師は関わりたくないのに病院に行かなければいけません。関わりたくないと思っていてもその現場に行かなければいけません。
それなのに、ただ看護師というだけで白い目で見る人達がいます。
そんな人達に対して白い目で見る人達はどうゆう人なのでしょうか。自分が罹ったら診てもらわなくてもいいと言うなら良いのですが。
世の中、外出の自粛を行っていても、不要不急関係なしに出歩く人はいます。そんな人達に対しては白い目で見てるのでしょうか?
しっかりとした対策をしよう
ここからは、どうしたら感染拡大を防げるか。
どうしたら、医療崩壊が防げるかを考えていきたいと思います。
STAY HOME
小池都知事が毎日のように言っていますね。安倍総理ののんびりした動画もありましたね。
不要不急の外出をしないようにして、接触率を下げれば、感染拡大は収まります。
手洗い・うがいはやっぱり大切
新型コロナウイルスは、うつってしまうとタチが悪いですが、ウイルス自体が強いわけではありません。
しっかりと手洗い・うがいをすることで予防できます。さらに、落としきれなかった汚れもあると思うので、手指消毒用のアルコール消毒をしましょう。
空気の入れ替えをしよう
ウイルスは、空中を漂っていても3時間ほど換気をすればいなくなります。
もし陽性患者さんがいたとしても、その部屋の換気をすれば空中にはいなくなります。
ウイルスがいない家であれば、2〜3時間に1回、5分くらい窓を開けて換気しましょう。空気の淀みがなくなり良いですよ。また、換気扇などを回しっぱなしなどができれば空気の流れは出来ます。
アルコールで拭こう
今アルコール不足となっていますが、アルコールで拭くことでウイルスは不活化します。よく触るところを時間がある時に、アルコールで拭いていきましょう。
アルコールの濃度は100%に近ければ近いほど効果がありますが、揮発性が高いので、ウイルスに効く前に蒸発してしまう可能性があります。なので、濃度は70~80%のものを使いましょう。
アルコールの代わりとして使えるもの
アルコールの品薄がありますが、代わりに使えるものは次亜塩素酸ナトリウムです。商品でいうとハイターとかミルトンですね。
0.02〜0.05%の濃度にして拭くことで効果があります。病院でも、アルコールとハイターを使っています。次亜塩素酸ナトリウムは人には有害なので、手袋をして使用して下さいね。
咳している人は咳エチケットを
よくマスクを常にしている人がいますが、周りに人がいなければ大丈夫ですよ。一番は咳をしている人がマスクをすることです。
咳をする人はマスクをして、尚且しっかりと肘で抑えましょう。近くにいる人は吸い込まないように近くにいないようにしましょう。
売っているマスクは、吸い込むことに関しては完璧ではありません。吸い込むことを予防できるのは、医療で使うN95というマスクになります。
まとめ
医療現場で働く人は、常に新型コロナウイルスと隣り合わせです。
罹りたくて罹っている人はいませんし、嫌な人はたくさんいます。それでも、病院に患者さんがいる限り、病院に行って働かなければいけません。
そんな医療従事者を、白い目で見るのは誰も得しません。
そんなことをやるなら、STAY HOMEを心がけ、みなさんが感染拡大させないようにしていただくことが、一番良いのではないのでしょうか。
感染予防を正しい知識で正しいやり方を行って、新型コロナウイルスにかからないようにしていきましょう。
では、また会いましょう\(^o^)/